インドネシアに滞在する日本人が罹患しやすい病気と、打った方がいいワクチンについてご紹介します。
日本人が罹患しやすい病気
過去15 年間の症例から、インドネシアに滞在する日本人は下記のような病気に罹患するケースが多く見受けられます。
下痢、腸チフス、ピロリ菌感染、胃炎、大腸炎、虫垂炎、尿道炎、結膜炎、腎臓結石、デング熱、風邪、インフルエンザ、COVID 19、副鼻腔炎、アレルギー性皮膚炎、蕁麻疹、不眠症、過労によるストレス、高血圧、2型糖尿病、高コレステロール血症、高熱、脂肪肝など
ここでは大きく次の4つに分類してご説明します。
1. 感染症
2. アレルギー関連
3. メタボリックシンドローム
4. 心の問題
感染症について
含まれる疾患としては、「下痢、腸チフス、ピロリ菌、胃炎、大腸炎、虫垂炎、尿道炎、結膜炎、デング熱、風邪、インフルエンザ、COVID 19、副鼻腔炎」があります。
主な原因は、日本とは異なる食べもの、水、天候、蚊、大気汚染、衛生状態が考えられます。特にインドネシアは高温多湿の気候のため、ウイルス、細菌、カビなどが繁殖しやすい状況にあり、消化器感染症に注意する必要があります。インドネシア滞在中どんなに注意をしていても、予期せぬ感染症にかかってしまうこともあります。このようなリスクを避けるため、日本出国前、あるいはインドネシア到着後すぐに予防接種をお勧めします。予防接種は種類ごとに接種間隔や有効期間が異なりますので、ご留意ください。
アレルギー関連
含まれる疾患としては、「下痢、大腸炎、結膜炎、副鼻腔炎、皮膚炎、じんましん」です。
主な原因は、ホコリやダニ(特にエアコンのフィルターや閉め切った室内に繁殖したダニ)、排気ガスなどの大気汚染、日本とは異なる食べもの、水、天候、蚊などが考えられます。特に日本でもアレルギーのある人、気候変動や食べ物に過敏性のある人は注意が必要です。
メタボリックシンドローム
含まれる疾患としては、「腎臓結石、高血圧、2型糖尿病、高コレステロール血症、高尿酸血症、脂肪肝」があります。インドネシアでは移動手段が車となり、運動量が極端に減ります。それに加えて、油または脂肪の多い食事、飲酒の機会が増えることも影響すると考えられます。特にインドネシアが主原産国であるパーム油は脂肪酸のほぼ半分が飽和脂肪酸で、摂取しすぎると血液中の LDL コレステロールが増加し、 心筋梗塞や糖尿病などのリスクが増加します。多くは自覚症状がありませんが、毎年の健康診断でメタボリックの危険性の検出が可能ですので、年に一度は健康診断を受けるようにしましょう。

心の問題
「不眠症と過労によるストレス」が含まれます。
海外では、言語・文化・生活習慣の違いなどから心理社会的なストレスを受けやすく、特に赴任当初に大きなストレスを感じます。また、これまでとは違う職場環境や仕事の範囲、初めての仕事も重なって、慢性的なストレスとなる場合があります。軽度の場合は、適切な治療により数カ月以内で症状が軽減されることもありますが、重度の場合は回復までに何年もかかることがあります。
不眠もストレスも薬の内服だけでは不十分で、根本的な治療が必要です。言葉や文化の問題もありますので、日本での受診以上にじっくりとカウンセリングを行う必要があります。
インドネシアで必要なワクチン
3〜5年インドネシアに滞在する際に接種しておくといいワクチンは、下記の通りです。
1.A 型肝炎
2.B 型肝炎
3.腸チフス
4.破傷風
5.狂犬病
A 型肝炎
A 型肝炎ウイルスは経口感染(飲食物を摂取することで感染)しますので、汚染された水や氷、甲殻類、汚染された水で洗われた果物や野菜(サラダ)を生で食べないように注意する必要があります。
接種回数:2回(0 – 6カ月後)
免疫有効期間:5〜10 年
B 型肝炎
B 型肝炎は、昔は輸血後肝炎の原因の一つでした(今は検査がしっかりとしていますので、その心配はありません)が、血液の他にも精液や、その他の体液からも感染することが知られ、成人の急性B 型肝炎は性感染症としても有名です。
接種回数:3回(0 – 1カ月– 6カ月後)
免疫有効期間:10 年
なお、A 型・B 型肝炎混合ワクチンもあり、両方を同時に打つことができます。混合ワクチンの接種スケジュールはB型肝炎と同じ( 0 – 1カ月– 6カ月後)で、免疫有効期間は10 年です。
腸チフスワクチン
腸チフス、パラチフスは、それぞれサルモネラ属のチフス菌とパラチフス菌による感染症です。チフス菌・パラチフス菌に感染した保菌者の便に汚染された食品や水から感染します。インドネシアでは身近な病気です。
接種回数:1回
免疫有効期間:3年
破傷風ワクチン
インドネシアは湿度が高く、バクテリアを繁殖させます。破傷風菌は土壌中に広く存在し、切り傷などの創傷部位から体内に侵入して感染します。口や手足のしびれがおこる病気で、治療が遅れると死亡することがあります。
接種回数:3回(0– 1カ月– 6カ月)
免疫有効期間:10 年
狂犬病ワクチン
狂犬病はヒトと動物の両方に感染し、急速に進行し死亡する病気です。ほとんどが動物に咬まれることで感染しますが、動物の唾液が眼や鼻や口に直接入ったり、傷のある皮膚に接触したりすることでも感染します。犬だけでなく、猫やコウモリ、サルなども病原菌を保有している場合がありますので注意してください。狂犬病発生率が高いバリ島やフローレス島に滞在される場合は、この予防接種をお勧めします。
接種回数:3回(0 – 7日 – 21 ~ 28 日)
免疫有効期間:3年



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