ついにインドネシア国内旅行時の移動規制が緩和されましたので、今回は、電化開業から1年を迎えたジョグジャカルタ近郊の鉄道の利用方法を改めてご紹介します。
電化開業1周年のジョグジャカルタ~ソロ間
2021年2月10日、それまでの気動車に代わり電車(コミューターライン)の運行を開始したソロ~ジョグジャカルタ間は順調に利用者を伸ばし、既に4両編成ではなく、全て8両編成に置き換わっています。週末の利用者は1万5000人程度と、電化開業前の1.5倍に増加しています。先日の開業1周年記念セレモニーでは、今年のレバラン前後までに、東側はパルールまでの電化延伸、西側は年内にワテスまでの着工が約束されました。観光客も多い区間ですので、今後はますますの利用者の増加が見込まれます。ブランバナン駅からプランバナン寺院などの観光スポットへのバス路線の開設なども検討されています。
運転本数が増加&チケット購入方法が変更 ジョグジャカルタ空港線
2021年のジョグジャカルタ近郊の鉄道ニュースといえば、空港鉄道の開業も見逃せません。現在は10往復にまで増強されており、ジョグジャカルタの玄関口としてすっかり定着したジョグジャカルタ国際空港(YIA)のアクセスとして十分認知されている様子です。注意点は、4月1日から運行がKAIからRailinkに移管され、チケット購入方法が変更になっている点です。
利用者の伸びないソロ空港線
一方、ソロ空港線は、市内から空港が近いこともあり、利用が伸び悩んでいます。コロナ禍でも、従来は概ね30分~60分に1本設定されていましたが、2021年末頃から日に3往復にまで減便されてしまっています。これでは空港鉄道としての役割を果たしていません。アディスマルモ国際空港自体が閑散としており、国際線発着も現在ないことから、運行区間の抜本的な見直しも検討されています。
乗車方法・電車(ソロ~ジョグジャ) 運行会社KCI
KCI発行のKMTの他、FlazzやTapCashなどの銀行発行の電子マネーのカードを自動改札機にかざすだけの「タッチ&ゴー」で乗車。1回分の乗車のみのシングルチケットは発売していないため、いずれかのカードの持参または購入が必要です。これら電子マネーで、トランスジョグジャ、バティックソロトランスの市バスも利用可能。
乗車方法・ジョグジャ空港線 運行会社Railink Railinkに移管されたことで、従来のKAI公式アプリ「KAI Access」及び駅窓口での現金購入が不可になりました。Railinkの予約フォーム(https://reservation.railink.co.id/home)または駅券売機でのキャッシュレス購入(クレジットカード・銀行デビット等での支払い)が必要です。※3月末日現在

こちらの記事もおすすめ!
【インドネシア鉄道通信】第26回 チカラン駅に長距離列車が停車




高木聡(たかぎ さとし)
神奈川出身。2012年7月よりジャカルタ在住。
中古電車がジャカルタに渡ったことをきっかけに2009年にインドネシアを初訪問し、当地の魅力にハマって移住。横浜線は物心ついた時から当たり前の存在。今はその中古車両に揺られ通勤するという不思議な日々。
※2022年 4月号掲載