インドネシアとの交流活動をしている日本人女性にお話を聞くコーナー。今回は、音楽・演劇パフォーマンスやキャリアについてのディスカッション、インドネシアの学校訪問など、さまざまな活動を通して日本人駐在妻の可能性を広げる活動を行っている荻野真由美さんにお話を聞いた。
プロフィール
荻野真由美(おぎのまゆみ)さん。長野県出身。2011年に夫の赴任で来イ。インドネシアでは駐在妻が就業しづらいことから、駐在妻の能力を生かす活動として、ジャカルタ・ニャマン・プロジェクトとジャカルタ・キャリアカフェを立ち上げた。5歳と2歳の2児のよき母でもある。
Q インドネシアでどんな活動をされていますか?
A 駐在妻の中には日本でキャリアを積んできたり、いろいろな才能を持っている人がたくさんいます。こうした人たちはインドネシアでは就業しづらいことからアイデンティティ・ロスになることもあります。そこで、そうした方々の能力をインドネシア社会につなげる活動をしたいと考え、ジャカルタ・ニャマン・プロジェクトとジャカルタ・キャリアカフェを立ち上げました。自己実現と社会貢献につながり、ご本人も、夫や子どもも、インドネシア社会も、皆がハッピーになればいいと思っています。
Q ジャカルタ・ニャマン・プロジェクトはどういう活動をしていますか?
A 駐在妻のキャリア支援および自己実現を支援するグループ、音楽を中心にダンスなどの幅広い活動を取り入れたコンサートを行い、文化交流や社会貢献活動をするグループです。趣味や特技がある方、日本でのキャリアを継続したい方、ジャカルタ在住中に何かをしたいという目的意識を持った方に集まっていただいています。活動は、「Music Cafe」や「おやこdeコンサート」などの自主コンサート、インドネシアの学校や孤児院、障害者施設での訪問コンサートをボランティアで行っています。自主コンサートの売り上げは経費を除いて慈善団体などに寄付することでインドネシアに貢献しています。
Q ジャカルタ・キャリアカフェはどんなグループですか?
A ジャカルタ・ニャマン・プロジェクトが音楽中心なのに対し、駐在妻が仕事について語り合う場として2015年に3人のメンバーでスタートしました。次第にメンバーが増え、今では約80名が所属しており、外部からゲストスピーカーを呼んで女性のキャリアについてのスピーチをしてもらったり、ボランティアでプロジェクト企画を作り、地域貢献活動などをしています。
Q 今後はどういう活動をなさいますか?
A 駐在妻の皆さんや私の能力・特技を発揮することで社会貢献につなげていくという活動コンセプトをより進化させ、もっとインドネシアの子ども達のためになることをしてみたいです。この国に10年住んで、この国の人たちに恩を返したい気持ちでいっぱいです。

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活動で大切にしていること
①インドネシアに感謝し、貢献すること
日本人がインドネシアに住まわせてもらっていること、インドネシアだからできる活動であることを自覚する。
②家族第一
家族あってのジャカルタ生活であり、それぞれの活動なので、自分の家族やメンバーの家族を大事にする。


※2019年11月号掲載
